Boysenberry(ボイセンベリー)の誕生
ボイズンベリー(Boysenberry)はベリーフルーツの中でも大きく、1個の重さは約8グラム。(サクランボの大玉 品種である佐藤錦は約7グラム、ブラックベリーは約5グラムです。)
日本ではまだあまり知られていませんが、欧米ではベリーといえばボイズンベリーというほど人気のベリーといわれています。深く綺麗な赤紫色、甘酸っぱい味、芳醇な香り、高い酸化防止性
(抗酸化機能はブルーベリーの6倍以上の価も報告されています。)
や微小血液循環や静脈血流の改善、視力の向上・・・。
学術名はRubus sp.Hybrid"Boysen" ( ルバス属雑種ボイズン)。
「ボイズン」は1920年代後半にこのベリーの品種改良株を初めて選抜し栽培に成功したカリフォルニア北部の農場主の名前に由来します。
その後、1937年にアメリカからニュージーランド紹介されました。以来、ボイズンベリーは同国で盛んに栽培されるようになり,現在ニュージーランドは世界一の生産国であり輸出国です。
Boysenberry(ボイセンベリー)物語
1920年代後半、米国農務省 (United States Department of Agriculture) のジョージ・ダロウ(George Darrow )氏は、ベリーフルーツの専門家として
著名なカリフォルニア南部の農場主であるウォルター・ノット氏( Walter Knott)に協力を依頼して、ルドフ・ボイズン氏(スェーデンからの移民)が栽培しているという“大きな赤紫色のベリーフルーツ"の調査を開始しました。ベリー専門家であるノット氏もその新しいベリーフルーツのことを知りませんでした。調査開始後すぐにルドフ・ボイズン氏が数年前に農場経営を諦めて、農場を売りに出していることがわかりました。
二人はボイズン氏の農場で雑草に囲まれて弱々しくなっていた数本の苗を見つけました。その苗を持ち帰りノット氏の農場に移植しました。1935年にはウォルター・ノット氏は自分の店でこのベリーフルーツを売り始めました。
このベリーはとても美味しいと瞬く間に大人気になりました。ノット氏はこのベリーの名称を訊ねられると「ボイズンベリー"Boysenberries"」と答えたということです。
ボイズンベリーはローガンベリー(loganberry)とデューベリー(dewberry (Rubus ursinus))を交配したと推測されていますが、現在にいたるも交配で同じベリーをつくることは適いません。二世代に渡って変異があったものと推測されてもいます。
ボイズンベリーは最も力を入れて栽培しているベリーです。現在はニュージーランドが世界一の生産、輸出国です。おいしいこと。抗酸化力が高いこと、ポリフェノールが豊富でベリーの中では大実であること、栽培上対寒性があること等、下北半島を代表するフルーツの資格十分といったところです。
Blackberry(ブラックベリー)
ブラックベリー (Blackberry) は、バラ科キイチゴ属の一群の種または1種の低木およびその果実。
ブラックベリーの栽培は19世紀に北アメリカで始まりました。
雑種や変種が多いのでその分類は非常に困難ですが、ベリーオーチャドしもきたでは、棘のない(ソーンレス)品種を栽培しています。
温暖な気候を好むので暖地での栽培に適していますが、北緯41度の当地でも立派に結実します。
ベリーオーチャドしもきたでは、現在ボイズンベリー同様に栽培主力にしています。
完熟したブラックベリーを掌にたくさん載せると甘く豊潤な香りにつつまれます。
日持ちが短いため遠隔地へは冷凍で送るしかありません。香りを楽しみながら生食するには栽培地に来て味わう外ないのが残念?なブラックベリーです。
生食用完熟の収穫時期はボイセンベリーよりも少し遅くなりますが、ソーンレスのブラックベリーは果実だけではなく、花卉としてフラワーアレンジメントでも使用されています。
レッドカラント(赤房すぐり)
ユキノシタ科スグリ属の落葉低木。西ヨーロッパ原産。果実は赤く熟すとルビーのように輝いた赤い色になります。
レッドカラントは酸味が強く主にジャムやピューレにして様々に楽しむことができます。シェイクやカキ氷にすると目でも味わうことができます。デンマークやフィンランドなど北欧諸国では北欧の長い冬の大切なビタミン補給として肉料理のソースやジャム、ジュース、ケーキの材料など様々に利用されています。
ルビーのような透明な赤い色に北国の短い夏の光が凝縮されています。
下北半島には明治時代に移植されたと伝えられています。
ベリーオーチャドしもきたのレッドカラントが陽の光に赤く輝く様は北国に夏が来たことを感じさせてくれます。下北半島の夏は8月中旬まで。下旬には涼しい風が秋の到来を伝えます。
グズベリー(西洋スグリ)
原産はヨーロッパと西アジアで、フランス東部から(おそらくは)ヒマラヤにかけて、アルプスの雑木林や岩石の多い低地の森に自生しています。
ヨーロッパなどでは普通に栽培されており、甘い果実をジャムやゼリーに加工します。
下北ではちょっと昔までは、畑や田んぼの境にスグリを植えている人が多数見られたそうです。
高さ1メートルくらいの低木ですが、枝には鋭いとげがびっしりとはえ、収穫の時にはちょっと苦労します。
単独で生育するか、短い側枝を基点とした2–3本の木からなる放射状に広がる茂みを形成します。
ジャム用に店頭に出回るのは未完熟の青い果実のときですが、完熟のグズベリーは甘く生食に適しています。
ホワイトカラント
ヨーロッパ原産のホワイトカラントはレッドカラントの白実種です。
レッドカラントよりも酸味が弱いので生食にも向いています。甘いブドウのような香りで、お菓子やジャムに向いています。しかし、希少のため量の確保は困難な状況です。現在苗木増殖に注力しています。
完熟状態では種が透けて見えます。レッドカラントは北国の夏の光を凝縮したように輝きますが、ホワイトカラントは葉蔭で涼やかに盛夏を楽しんでいるような風情があります。赤と白透明の姿を眺めていると、自然の奥深さと隣り合わせにくらしている心地がします。
ブルーベリー(準備中)
ベリーオーチャドしもきたでは、現在ブルーベリーの栽培は行っておりません。しかしながら石蕨農場がある東通村は下北半島のブルーベリー栽培を行っている農家さんがたくさんあります。観光農園なども行っていますよ。